□2012年2月X日
〈豪雪・雪下ろし〉
今年は、記録的な豪雪となってしまった。長岡でも最大積雪は、1m50をはるかに超えたと思われ、38(サンパチ)の大豪雪以来だと言われている。
よって我が家でも雪下ろしをすることに。昨年に続いて2年連続となったが、屋根の雪の量はは確実に多かった。今年は6人の雪下ろし人足にお願いしたが、午前中、3時間以上かかった。
山沿いの地区では、雪下ろしを3〜5回したというところもあるそうで、大変な労力だ。豪雪になると、経済活動も止ってしまうし、除雪のために余計や金もかかる。雪国のハンディは、想像以上なのだ。
〈感動!ついに「口福コロッケ」を作った〉
「口福コロッケ」という"幻のコロッケ"がある。何が幻かというと、都内某所にあるコロッケ専門の肉屋さんが作っているのだが、店に行っても売ってもらえない。常連客のみを対象した予約販売で、しかも"生の材料"で売られているので、自分で揚げるしかないのだ。このコロッケ、シンプルないわゆるイモコロッケなのだが、中身のジャガイモがトロ〜と流れ出るようなクリーム状で、その名のように口の中が幸福になる旨さなのだという。
以前からものの本でこのコロッケの存在は知っていたのだが、なにしろ常連客のみが対象ということなので、諦めていた。ところが、都内では日本橋高島屋と新宿伊勢丹だけで、一日2〜30パックだけを限定販売しているというではないか。デパートで売っているということは、つまり一般客でも買えるということ。常連客ではない我々がこの"幻のコロッケ"を唯一手に入れる方法があったのだ。
ということで、ある日、たまたま日本橋方面に用件があったので、帰りがけに高島屋に寄ってみた。時間は午後1時過ぎだったと思う。さっそく地下食品売り場の味百選コーナーへ。あったあった、お一人様3パック限定とある。しか〜し、無情にも「本日入荷分は売り切れ」のプレートが!聞くところによると、大人気のため入荷と同時にすぐ売り切れてしまうのだという。
そこで数日後、今度は新宿伊勢丹にトライ。はやる気持ちを抑え、地下食品売り場のグロッサリーコーナーへ。こちらでもお一人様2点限りとあるが、やっぱり売り切れ。う〜、悔しい!たかがコロッケなのだが、こうなるとなんとしても手に入れたくなるのだ。
店では販売していないというが、もしなと思い、行ってみた。ここだけの話だが、店の名前は「福内商店」。場所も明かしたくないのだが、浜松町駅近く。詳しいことは、自分で調べてほしい。まあ、それほどもったいぶることもないと思うが…。
ネットで調べた住所を頼りに、浜松町周辺を探し歩くと、拍子抜けするほど簡単に見つかった。確かに店舗はあったのだが、営業している様子はない。ガラス越しに見えるケースにはコロッケの生の材料が並んでいるが、客が入る入口が無いのだ。やはり、一般販売はしていないらしい。
いろいろ調べてみると、もともとは普通の肉屋さんだったが、コロッケの評判がよく、いつの間にかコロッケ専門に。しかも、ここは店舗というよりも工場になったのだ。そして、この評判のコロッケをつくっているのは、なんと80代と思われる老夫婦。二人だけでは、つくる数に限界があり、常連客限定の販売になったようなのだ。
後日、夜の8時過ぎに行ってみると、この"工場"には煌々と明かりが灯り、中で腰の曲った老夫婦がひたすらコロッケをつくっていた。コロッケを作り続けて何年、いや何十年になるのだろうか、その姿は、感動的ですらあった。
そしてついに先日、確実に「口福コロッケ」を手に入れるための行動に決起した。その日は意を決して朝早く(と言っても私の場合はいつも深夜遅くまで起きているので、せいぜい午前9時過ぎだったのだが)に起床、直ちに日本橋高島屋に直行。デパートに着いたのは、午前10時40分頃だった。やる気持ちを抑え、地下の味百選コーナーへ行くと、ジャ〜ン、あるではないか!入荷したばかりらしいが、2列に重ねられていたうちの1列の半分以上が既に売れていた。私も迷うことなく、速攻2パックをゲットした。
1パック6個入りが、たったの750円、ということは1個125円だ。。1個のコロッケは意外と小さめで、たっぷりのパン粉の中に埋もれるように入っている。材料は、豚肉、ジャガイモ、玉ネギと、きわめてシンプル。しかし、それぞれがご主人がこだわって選んだ材料らしく、これだけで旨い"奇跡のコロッケ"が造られているらしいのだ。期待はいやがうえにも高まるのだ。
その日の夜、さっそく揚げてみた。たかがコロッケだから、揚げ方は簡単。サラダ油で、衣がこんがりきつね色になるまでじっくり揚げればOK。そして、揚げたちを一口、ガブリ。衣の中からクリーム状になったジャガイモが、トロ〜リと流れ出す。熱〜い!しかし、旨〜い!ソースなど、かける必要はない。程良い味付けがされているので、1個をそのまま一気に食べてしまえるのだ。この旨さは何なんだ?!正に、幻、奇跡のコロッケだ!
このコロッケを一口食べる度に、老夫婦が黙々と作っている姿が目に浮かぶ。夫婦には、後継者がいないらしい。いくら人気があるとはいえ、1個125円で手作りしていては、儲けはたかが知れている。そんな効率の悪い仕事を継ぐ人はいないのだろう。夫婦の年齢から考えると、あと何年作られるのだろうか?今のうちにぜひ一度は食べていただきたい、絶品コロッケなのだ。